2007 Fiscal Year Annual Research Report
Inコアフェリチンを鋳型に用いた液滴エピタキシー法による量子ドット作製方法の開発
Project/Area Number |
19710091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渕 真悟 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (60432241)
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Keywords | 量子ドット / ナノバイオ / 結晶工学 |
Research Abstract |
本年度は、まず、Inコアフェリチンの提供を受け、InコアフェリチンのGaAs基板上への吸着を試みた。(1)溶液濃度依存性:Inコアフェリチン濃度0.0〜3.7mg/mlの溶液をGaAs基板上に滴下し、5分静置後、溶液を吹き飛ばした。AFM観察の結果、溶液濃度が増加すると、直径20nm、高さ9nm程度の粒子の密度が増加した。溶液濃度に対する依存性とフェリチンの大きさから、この粒子がInコアフェリチンであると判断した。つまり、溶液を滴下、静置、溶液除去という簡単な手法によって、InコアフェリチンをGaAs基板上に吸着させることに成功した。(2)溶液静置時間依存性:溶液静置時間を10秒〜10分と変化させた試料を作製した。AFM観察の結果、Inコアフェリチンの密度は大きな変化を示さなかった。つまり、Inコアフェリチンは、10秒以下の時間でGaAs基板上に吸着することがわかった。 次に、Inコアフェリチン配列の基礎データを取得する実験をおこなった。(1)基板導電型の影響:p型、n型、半絶縁性基板上にInコアフェリチンを吸着させた。AFM観察の結果、Inコアフェリチンの密度は、基板導電型に対して系統的な変化を示さなかった。(2)光照射の影響:p型、n型、半絶縁性基板上にInコアフェリチンを吸着させる際、可視光を30秒照射した。これにより、基板中に発生するキャリアとフェリチンとの相互作用発現を狙った。AFM観察の結果、Inコアフェリチンの密度は、基板導電型に対して系統的な変化を示さなかった。一方、可視光照射時間を5分とした場合、溶液が蒸発した。AFM観察の結果、Inコアフェリチンは多層で、部分的に配列していた。これは、Inコアフェリチンの高密度配列構造の実現につながる重要な結果である。
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