2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバイオデバイス上固定化タンパク質構造測定法の開発
Project/Area Number |
19710096
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
青柳 里果 Shimane University, 生物資源科学部, 准教授 (20339683)
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Keywords | タンパク質 / 分子認識 / 表面・界面物件 / ナノバイオ |
Research Abstract |
化学反応によって変化するタンパク質の構造の実測を目的とし、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)による固定化タンパク質の最表面構造測定法の開発を進めた。平板およびパーティクル上に固定化したタンパク質のTOF-SIMSによる配向評価法確立のため基礎検討を行った。これまでの研究で測定に有利なことが示されたインジウムースズ酸化物(ITO)コーティングガラスを基板として用い、タンパク質もしくはタンパク質を固定化したパーティクルを基板に固定化し、異なる一次イオン源(Ga^+, C_<60>^+, Au_3^+, Bi_3^+など)を用いて、二次イオンを検出した。一次イオン源による二次イオン発生の差などに基づいて、各TOF-SIMSスペクトルを解析し、平板上およびパーティクル上のタンパク質の配向評価ができる条件を模索した。また、固定化タンパク質の構造変化に対するTOF-SIMSの応答性も検討した。 結果として、一次イオン源によって、測定しやすいタンパク質サンプルの条件が異なることが示されたが、最適の条件でない場合でも、配向や構造変化を評価することは可能であることも示された。一次イオン源としてC_<60>^+, Au_3^+, Bi_3^+などのクラスターイオンを用いた方が固定化タンパク質の最表面をよび敏感に測定する上で有利であることが示されたが、現在商品化されている既存のクラスターイオンによる測定では、最表面以外の内部からの二次イオン発生も少なくないことも示唆された。
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