2007 Fiscal Year Annual Research Report
基材界面物性を利用した温度応答性超薄膜ゲルの設計と細胞シート回収への応用
Project/Area Number |
19710097
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
秋山 義勝 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (20349640)
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Keywords | 温度応力答性表面 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 細胞シート / 再生医療 / ポリアクリルアミド |
Research Abstract |
本年度は研究計画にしたがい、ポリアクリルアミド(PAAm)とTCPSを使い、モデルとなる親水性基材を電子線照射重合により作製した(PAAm-TCPS)。得られた表面の特性について、FT-IR/ATRによるポリマーグラフト量の定量、XPSによる厚み方向の測定とグラフトポリマーの表面均一性、接触角測定による表面のぬれ性および細胞培養により細胞接着性を評価した。さらに、温度応答性高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PIPAAm)をPAAm-TCPS表面上に、電子線照射重合を用いて、グラフトした。その結果、電子線重合によりPAAmがグラフトされ、初期モノマー濃度の増加に伴い、グラフトポリマー量が増加した。XPSの角度依存による表面分析の結果、グラフト層はナノオーダーの厚みで均一に表面にグラフトされていることが示唆された。ポリマーグラフト量が0.31ug/cm^2よりも小さい時は細胞接着性を示した。細胞増殖生についてはTCPSよりも若干、低い傾向を示したがコンフルエント状態となった。0.31ug/cm^2以上のグラフト密度では、得られた表面は細胞非接着を示した。この結果は接触角測定で得られた表面ぬれ性と同様な傾向を示した。さらに、FT-IR/ATRのスペクトルからPIPAAmがPAAm-TCPS表面にグラフトされていることを確認した。これらの結果から、目的とする表面が構築できることが示唆された。次年度、PAAm成分が細胞接着の迅速化に有効であるかどうかを評価、検討する。
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