2008 Fiscal Year Annual Research Report
In vivoアポトーシスの誘発と検出を目指したコアーシェル型金ナノ粒子の設計
Project/Area Number |
19710108
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 基 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (90419242)
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Keywords | 金ナノ粒子 / ポリアミン / ポリエチレングリコール / アポトーシス |
Research Abstract |
遺伝子解析技術・分子生物学の急速な進歩に伴い、siRNAに代表されるような生理活性を有する様々な薬物の開発が盛んとなってきている。このような研究と伴に、これら薬物による細胞内のシグナル変化をイメージングするナノデバイスの開発が重要であると考えられる。本研究のねらいは、siRNAなどの薬物を体内のガン組織・細胞にのみ安定に送達し、細胞内の環境変化に応答してアポトーシスを誘起し、同時にその治療効果(アポトーシス)を検出可能な、治療(Therapeutic)と診断(Diagnostic)を同時に行うセラノスティック・ナノデバイス(Theranostic Nanodevice)を創製することである。平成20年度は、昨年度構築したPEG化金コロイドの知見をもとに1)機能化金コロイド内包型PEG化ナノゲル粒子の調製と物理化学的評価および2)機能化金コロイド内包型PEG化ナノゲル粒子を用いた細胞内アポトーシスの検出を検討した。具体的には、生体適合性の高いポリエチレングリコール(PEG)末端に蛍光ラベル化を施したカスパーゼ3の基質ペプチド(DEVD配列)を結合させ、ポリアミンゲルコアには蛍光消光剤である金コロイドを内包させた金コロイド内包型PEG化ナノゲル粒子を調製し、薬物により誘発された細胞内アポトーシス(自発的細胞死)を蛍光イメージングすることが可能であることが明らかとなった。このことから、このセラノスティック・ナノデバイスは、ガンの化学療法における早期診断(治療効果の予測)システムとして有用であることが示唆された。
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