2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノピンセットを用いた繊維性タンパク質-薬物相互作用検出システムの基礎研究
Project/Area Number |
19710110
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
細木 真保 Kagawa University, 工学部, 助教 (50363180)
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Keywords | 分子マニビュレーション / マイクロファブリケーション / ナノプローブ |
Research Abstract |
半導体微細加工技術を用いて製作された分子ピンセットを用いて、線維性タンパク質のプローブ間への捕獲実験を行い、安定的な分取トラップのための交流印加条件を明らかにした。アクチン繊維のプローブ間への捕獲では、DNAの分取条件(1MHz)よりも高周波側の10MHzで、直径が数十ナノ〜数百ナノメートルの分子束が安定的に捕獲されることが分かった。また、分子ピンセットに捕捉された繊維性タンパク質(アクチンおよび微小管)の電気計測を個々のタンパク質緩衝液中で、分子ピンセットのプローブ両端に直流電圧を印加して実施し、直流電圧特性を明らかにした。アクチン・微小管ともに導電性は非常に低く、数十GΩであった。また、アクチン繊維とアクチン結合タンパク質との結合反応を、プローブ間に捕獲されたアクチン繊維を流れる電流を計測することで検出した。また、プローブ間に捕獲された分子の種々の反応(他分子との結合や乖離、変性など)を、分子の剛性の変化から計測することも試みた。力計測では、市販のλ-DNA分子を対象として、分子ピンセットによる分子の伸張実験を行った。分子の伸張は、捕獲用の分子ピンセットに一体形成された静電型櫛歯アクチュエータを用いて行い、分子の伸びを対向するプローブ先端の変位計測によって測定し4タンパク質とDNAの相互作用によるDNA分子の特性の変化を計測する系を試作した。また、今後の交流電気計測のために、マイクロストリップライン構造の対向電極デバイスを作成した。デバイスは、ガラス基板上にAu薄膜で形成(Cr薄膜の上に形成)された信号電極が対向して構造となっており、この信号線の両側にGND線を設計した。
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Research Products
(2 results)