2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの分離分析に及ぼすナノ空間の幾何学的影響の解明
Project/Area Number |
19710115
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加地 範匡 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (90402479)
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Keywords | ナノバイオ / マイクロ・ナノデバイス / DNA |
Research Abstract |
本年度は、1)ナノ構造体特有の問題点の検討、2)幾何学的パターン以外のパラメータの検討、3)幾何学的パターンの検討を行い、特にナノ構造体特有の電気浸透流、ナノピラーの間隔が分離へ与える影響、そして並列型を用いた場合のDNA分離メカニズムの解明について新しい知見を得た。 1)ナノ構造体特有の問題点の検討 マイクロチャネル内にナノ構造体が存在する場合、比表面積の増大と同時に複雑な構造に起因する電気浸透流の増大と複雑化が予測される。そこでナノ構造体中の電気浸透流について実測したところ、ナノ構造体により形成される空間が小さくなればなるほど、電気浸透流も減少することを明らかにした。 2)幾何学的パターン以外のパラメータの検討 本年度は特にナノピラーの間隔に着目し、100,300,500,700,1000nmの間隔を有するナノピラーを作製して、DNA分離能への影響を検討した。その結果、間隔が小さくなるにつれて分離度が上昇することを突き止め、分離条件の最適化により100bpから48.5kbpのDNAフラグメントを60秒程度で分離することに成功した。 3)幾何学的パターンの検討 並列型に配置されたナノピラーでのDNA分離結果を元に、新しいナノウォール構造を作製し、その分離メカニズムについて検討した。その結果、ナノピラー構造とナノピラーのないマイクロチャネルとの界面が、分離に大きな影響を及ぼしていることを明らかとした。また、DNA1分子のナノ空間におけるダイナミクス観察により、ナノウォール構造中ではDNAのサイズに関わらず、ほぼ同一の泳動速度で移動していることを明らかとした。
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Research Products
(8 results)