2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノギャップ電極による共役分子接合の電気伝導特性評価と単分子トランジスタへの応用
Project/Area Number |
19710120
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
永瀬 隆 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (00399536)
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Keywords | ナノギャップ電極 / 単一分子デバイス / 分子接合 / 共役分子ワイヤー / 集束イオンビーム |
Research Abstract |
単一分子デバイスの実現において,分子デバイスの基礎コンポーネントとなるπ共役分子を電極に接続した際の分子接合における電気伝導機構を明らかにしておくことは極めて重要である。本研究では,集束イオンビームエッチングにより精密に作製した数ナノメーター幅のナノギャップ電極を用いて,π共役分子ワイヤーによる分子接合を形成し,それらの電気伝導特性を詳細に測定することで,π共役分子接合の電気伝導機構を解明することを目的とする。分子接合による単分子トランジスタを試作し,基礎的なデバイス特性を明らかにすることを目標とする。ナノギャップ電極の作製を最適化することで,ギャップ近傍にサイドゲート電極を持ち,極めて先鋭な構造を有する幅5nm程度の金ナノギャップ電極を作製した。それらのナノギャップ電極を用いて,分子長約7nmの長鎖オリゴチオフェンによる分子接合を作製し,極低温領域から室温領域に渡って電圧電流特性を測定した。その結果,分子接合は線形的な電圧電流特性を示す傾向があることが分かった。その温度依存性を評価から,極低温ではトンネ/レ的な電気伝導を示し,温度上昇に伴って熱活性化型の電気伝導を示すことが分かった。その活性化エネルギーは数10 meV程度の極めて小さい値であることから,分子接合における電気伝導は電極から分子への注入よりも分子内でのホッピング伝導により律速されている可能性があることが分かった。
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Research Products
(2 results)