2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・キャピタルがまちづくり活動を活性化する条件に関する実証的研究
Project/Area Number |
19710122
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
金井 雅之 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (60333944)
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Keywords | 社会関係資本 / まちづくり / 社会ネットワーク / 社会的ジレンマ / 評判 |
Research Abstract |
財政難による行政活動の縮小等にともなって,地域住民による自発的なまちづくり活動の重要性が高まづている.活動の成否を決めるカギは住民の積極的な参加であり,それを促す要因として近年注目されているのがソーシャル・キャピタル(社会関係資本)である、本研究では,地域におけるソーシャル・キャピタルの蓄積が合理的な諸個人の行動にどのように影響し,結果としてまちづくり活動の活性化という効果をもたらすのか,を明らかにすることにより,まちづくり活動を促進するための政策的指針を得ることを目標としている. 本年度は準備作業として,温泉地という特定の事例を取り上げ,まちづくりに関する比較調査データの計量的分析を通じて,どのような種類のソーシャル・キャピタル(社会ネットワーク)がどのような場面で効果をもつかを検討した。主な知見は以下の2点である.(1)橘渡し型もしくは仲介型のソーシャル・キャピタルは個々の企業の業績達成には有意な正の効果をもつが,温泉地全体としてのまちづくり活動の水準には有意な効果をもたない.(2)結束型もしくは閉鎖型のソーシャル・キャピタルは個々の企業の業績達成には有意な効果をもたないが,温泉地全体としてのまちづくり活動の水準には有意な正の効果をもつ. これにより,マクロな連関構造としては結束型ソーシャル・キャピタルポ特にまちづくり活動を促すことが改めて確認されたといえる。これらの研究成果は輪文および学会報告社よって公表した.
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