2007 Fiscal Year Annual Research Report
映像コンテンツの国際共同製作に係る多角的マネジメント方法に関する実践的研究
Project/Area Number |
19710131
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
児玉 徹 Kyushu University, 芸術工学研究院, 准教授 (50420592)
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Keywords | 映像コンテンツ / 国際共同製作 / マネジメント / 文化政策 |
Research Abstract |
本研究実績としては、第一に、本研究課題を多角的視点から分析するために必要な種々の文献を入手し、映像コンテンツの国際共同製作の意義と方法、将来性等についての調査研究を実施した。 第二に、上記の文献調査を通して構築した知的枠組に基づきながら、欧州における映像コンテンツの国際共同製作に関する国家政策や、教育プログラム、マネジメント手法の実践例等について調査するために、スペインへ赴き、サンセバスチャンにて開催の欧州最大級の映画祭、「サンセバスチャン国際映画祭」に参加するなどして、映画の国際共同製作に係る振興組織の活動状況や教育プログラムの実態、プロデュース過程における実務上の課題等に関する情報収集を実施した。 第三に、アジア地域における映像コンテンツの国際共同製作の現況に関して調査するために、アジア最大の映画祭、「釜山国際映画祭」に参加し、同映画祭の上映作品に係る国際共同製作の実態を把握するとともに、同映画祭の一環として開催された映画の国際共同製作に係るシンポジウム等において種々の関連情報の収集を実施した。 以上の調査活動の結果として、欧州の映画産業において国際共同製作が活況を呈してきたことの背景には、個々の映画製作者が国際共同製作に対して保有するインセンティブ、そのインセンティブをさらに誘発する補助金制度に代表される各種の支援・優遇制度の存在、それをトランスナショナルに支える欧州各国の多元的な協力政策の存在、という複数の要素が相互補完的に作用してきたことが判明した。また、我が国がこの分野において、中国や韓国を始めとしたアジア諸国との間でどのようなパートナーシップを構築すべきかという点についての考察を深めるための有意義なデータも獲得できた。
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