2008 Fiscal Year Annual Research Report
生産効率を評価尺度とした多層階工場レイアウト問題の実用的モデル化と解法の開発
Project/Area Number |
19710133
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
伊呂原 隆 Sophia University, 理工学部, 准教授 (60308202)
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Keywords | 工場レイアウト / 生産効率 / 多層階工場 / 最適化 / 実用的モデル化 / シミュレーション / マテハンコスト / 工場内物流 |
Research Abstract |
平成19年度に作成したレイアウトモデルに加工時間変動などの動的要素を組み込み, 評価尺度としてスループット, リードタイム, 仕掛在庫量などの生産効率を導入した. 単層工場を対象とした従来研究の成果として, バッファスペース配分とレイアウトが複雑に生産効率に影響を及ぼすことがわかっている. 本研究ではこの成果を踏まえて, バッファスペースとして立体自動倉庫を含む多層階工場を対象としてモデル化およびシミュレーションを行った. 具体的には, 実際の多層階製薬工場の各種パラメータ, 制約条件およびレイアウトを所与としてモデル化を行い, 前述の評価値が工場稼働状況に応じてどのように変化するかをシミュレーションによって検証した. なお, 今回対象とした製薬工場では垂直方向の搬送にエレベータではなく複数のスタッカークレーンが使用され, バッファスペースとして多層階の自動倉庫が導入されている点でも従来研究の多層階レイアウト問題と大きく異なっている. この工場は地上4階建てで水平搬送用のRGVが3台, 垂直搬送用のスタッカークレーンが4台, 中間倉庫として自動倉庫が1つ導入されている. この工場では30種類の医薬品が8工程で製造され各工程の加工機械がそれぞれ複数台のハイブリッドフローショップ工程となっている. 製品は中間倉庫から出るとRGVによってスタッカークレーンまで運ばれ, その後スタッカークレーンによって各機械に運ばれる. 本研究では, レイアウトの評価尺度として総搬送距離だけでなく, 平均リードタイム, メイクスパン, 在庫量推移などをシミュレーションによって算出した. このような生産性を示す評価尺度を合わせて考慮することで, 搬送距離ベースの評価のみでは考慮できないより多様な工場レイアウトの評価が可能になった. 来年度はこのような評価尺度に基づいてレイアウトを構築する方法を検討していきたい.
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