2008 Fiscal Year Annual Research Report
先進的組合せ最適化法を用いたセンサーネットワークの効率的運用法の研究
Project/Area Number |
19710134
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
宮本 裕一郎 Sophia University, 理工学部, 助教 (20323850)
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Keywords | 組合せ最適化 / センサーネットワーク / 計算複雑度 |
Research Abstract |
センサーネットワークを背景とする, アドホック無線通信ネットワークの効率的な構築法を研究した. ネットワークの構築法にはルールベースの構築法と何らかの最適化問題としてモテル化してそれを解く方法がある. 最適化問題としてのモテル化およびそれに対するヒューリスティクスは既存研究として多く存存するが, モデル化した問題の難しさを明らかにした研究は少なかった. 本研究では計算複雑度の観点からネットワーク構築問題を分類し, 問題を簡単に解ける場合とそうでない場合を明らかにした. これにより既存のヒューリスティクスの動機がしっかりしたものとなったと同時に, ヒューリスティクスに頼らず効率的に最適解を見つけられる自明でない場合もあることを示した. 具体的な例として, 多くの数値計算実験で用いられているベンチマーク問題の設定では, センサーが(1次元)直線上に配置されていても, ネットワーク構築問題は強NP困難であることを示した. 他にも, 無線通信におけるエネルギー消費が, データ送信時に起こる場合, データ受信時に起こる場合のそれぞれとネットワークトポロジーの組合せで計算複雑度がどれだけ異なるか理論的に明らかにした. 派生的ではあるが, 通信路設計においては最短路計算が行われることも多い. 最短路を高速に計算する, あるいは検索する技術に関しても, 従来の手法を上回る速度の手法を開発した. 特に, 検索に関しては従来とは全く異なる工夫により, わずかな記憶容量を付加的に消費することによって数千倍から一万倍の高速化を実現した. この高速化はいずれ他の研究にも大きな影響を与えることが期待される
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