2007 Fiscal Year Annual Research Report
小型船舶による救急患者搬送用の防振架台に関する研究
Project/Area Number |
19710151
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
外山 茂浩 Nagaoka National College of Technology, 電子制御工学科, 准教授 (60342507)
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Keywords | 自然災害 / 被害対策 / 離島 / 小型船舶 / 救急患者 / 般送 / 防振架台 |
Research Abstract |
文献等によって,航行中の小型船舶の船体振動,沿岸部で生成される波海洋のスペクトルを調査した.小型船舶の最大船速,固有振動数、防振架台の設置位置を基準に,防振架台に対する振動入力の最大片振幅,主たる振動数を明らかにした.船舶の乗り心地評価に関する文献,および,船酔率(MSI)を用いた実船実験に関する文献から、防振架台上の搬送患者が耐えうる上下加速度の限界値を調査し,防振架台の振動伝達特性が満たすべき仕様を明らかにした. 以上の調査結果を基に防振架台の機構を数値シミュレーションによって検討した結果,ばねとダッシュポットから構成されるパッシブ方式よりは,外部エネルギを利用して振動伝達の電子制御を行うアクティブ方式が有用であることが分かった.アクティブ方式の構成要素の一つであるアクチュエータの制御則にスカイフックダンパ制御を採用することで,パッシブ方式では実現困難な上述の仕様を容易に実現できることを確認した.また,平衡時のサスペンションストロークを測定し,あらかじめ設定した標準体重と実際の搬送患者との体重差を推定して制御則に利用することで」体重差が防振性能に与える影響を補正できることを確認した. 小型船舶では使用する電源容量に制約があるので,アクチュエータの消費エネルギはできる限り少ないほうが望ましい.そこで,防振架台のばね要素の弾性特性について検討した結果,初圧縮特性を有し,平衡時の見かけのばね定数が小さい弾性特性が有用であることが分かった.そのような弾性特性を示すばね機構を今年度は考案したので、今後は実験装置を製作し実用性について検討する予定である.
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