2008 Fiscal Year Annual Research Report
小型船舶による救急患者搬送用の防振架台に関する研究
Project/Area Number |
19710151
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
外山 茂浩 Nagaoka National College of Technology, 電子制御工学科, 准教授 (60342507)
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Keywords | 自然災害 / 被害対策 / 離島 / 小型船舶 / 救急患者 / 搬送 / 防振架台 |
Research Abstract |
防振架台にばねとダンパの要素からなる機構を用いた場合, 比較的低周波数の成分を有する入力振動に対して患者の加速度までの伝達仕様を満たすにはばねを極端に柔らかくしなければないが, 一般的な線形コイルばねでは支持剛性が著しく低下する. そこで, 圧縮ばね, 引張ばねを並列に配置した新たなばね機構を考案し数値シミュレーション等によってその有効性を詳細に検討した. また, 小型船舶用の防振架台の機構を考える上でもう1つ問題となるのは, 防振架台に搭載する患者の体重差が著しく大きく不特定となることである. そのような問題に対して, 設置スペースに制限がある小型船舶で使用する場合, ストレッチャー搭載面の平衡位置をある程度一定に保持する機能が必要と考えられる. そこで, DCサーボモータ, ボールねじを利用して上述のばね機構に平衡位置調整機能を付加することを考案した. DCサーボモータの回転運動はボールねじを介して直線運動に変換され, 支持剛性を主に担う圧縮ばねの下方端面位置を上下させる. その結果, ばね機構の予荷重を体重差に合わせて調整することが可能となる. 以上述べたばね機構の有効性を検証するために, スケールダウンした試作機を製作して実験したどころ, DCモータを適当に動作させれば平衡位置を基準高さに調整できることを確認した. ただし, ばね機構において複数個のばねを並列に使用する場合, その配置が適切でないと摩擦の影響が多大となり望ましい伝達特性を得ることが困難であることが分かった. 以上の実験結果を踏まえ, 今後は実スケールの防振架台の試作に取り組む予定である.
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