2009 Fiscal Year Annual Research Report
小型船舶による救急患者搬送用の防振架台に関する研究
Project/Area Number |
19710151
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
外山 茂浩 Nagaoka National College of Technology, 電子制御工学科, 准教授 (60342507)
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Keywords | 自然災害 / 被害対策 / 離島 / 小型船舶 / 救急患者 / 搬送 / 防振架台 |
Research Abstract |
前年度の研究成果を発展させ、防振架台を実際に利用する上で発生する問題に対処可能な理想弾性特性について検討を行った。その結果、患者の差異による質量変動と、通常ストローク外での衝突に伴う急激な加速度増加の2点に対処可能な理想弾性特性を明らかにした。その理想弾性特性を実現するために、圧縮ばねと引張ばねからなるメカニズムを考案したが、考案したメカニズムをそのまま利用して実際の防振架台を製作すると、防振架台のサイズが非現実的なものとなることが明らかとなった。そこで引張ばねのみを組み合わせたメカニズムを新たに考案し、実スケールの防振架台を製作した。製作した防振架台によって、理想弾性特性を実現しつつ、先述のサイズの問題を解決できることを実際に確認した。 一方、防振架台の能動的要素として、DCブラシレスモータとボールねじを組み合わせたアクチュエータを製作した。そのアクチュエータを制御入力としてフィードバック制御系を構成するための制御則を種々検討した。実際の防振架台では、アクチュエータの出力を抑える必要があることや、質量変動などのパラメータ変動、摩擦、観測雑音の存在といった問題がある。したがって、種々の制御系においてこれらの問題がどのように影響するかを、制御入力の最大値、感度特性、入力外乱抑制特性、観測雑音除去特性の4つの指標によって評価した。その結果、絶対速度フィードバック則であるスカイフックダンパ制御が制御入力の最大値、感度特性、観測雑音除去特性において特に良好な特性を示した。ただし、入力外乱抑制特性が若干劣ることからその改善のため絶対加速度フィードバック則の併用を検討した結果、観測雑音除去特性とのトレードオフが生じることになるものの良好な特性を示すことがわかった。
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Research Products
(2 results)