2008 Fiscal Year Annual Research Report
気液混合境界層に着目した気象-海象場応力相互作用モデルの開発
Project/Area Number |
19710153
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小笠原 敏記 Iwate University, 工学部, 助教 (60374865)
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Keywords | MPS法 / 風波 / 大気-海洋相互作用 |
Research Abstract |
風洞水槽実験の結果を基に, 大気-海洋境界層の応力モデルの確立を試みている.本年度では, 昨年度に引き続き数値水槽の開発を行うと共に, 風波画像データを基に, 海面せん断応力の推定を行った.数値水槽の開発では, 風のせん断応力が波に与える影響を明らかにするため, 造波境界の改良を行った.MPS法を用いた数値水槽において, 側面の壁粒子を一定の範囲で稼働できるように制御することにより, 孤立波および周期波を発生させることが可能となった.造波境界によって発生させた波の波高の値と実験結果を比較したところ, 良好な一致を示した.この結果, 波の存在する場に風応力を作用させたとき, 波および流れにどのような変化が現れるのかを詳細に検討することができると考えられる.また, 高速度ビデオカメラで撮影した断面二次元の風波画像データを基に, 二値化やフィルタリング, 細線化処理を用いて波形を抽出した.その波形の勾配を利用して, 海面せん断応力を算出し, 既存の実験・観測データとの比較を行ったところ, 風速6.7〜15.1m/sの範囲において, 1オーダー大きく見積もられたが, 風速の増加に伴って海面せん断応力も増加すると言った同様な傾向を示し, 定性的に妥当な結果を示した.次年度では, 水中に投下された中立粒子をラグランジュ的に追尾し, 海面極表層の流速データの取得を行い, 数値計算に用いる基礎方程式に風応力の項を加え, 計算結果と画像解析で得られる流速との比較を行い, 逆解析的に風応力のモデル化を行う予定である.
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