2008 Fiscal Year Annual Research Report
大地震時における液状化地盤の変形メカニズムと変形量予測に関する研究
Project/Area Number |
19710156
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飛田 哲男 Kyoto University, 防災研究所, 助教 (00346058)
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Keywords | 地盤災害 / 液状化 / 地震 / 盛土 / 非液状化領域 / 地盤 / 不均質 |
Research Abstract |
本研究は, 液状化地盤の変形メカニズムに基づいた精度のよい簡易な変形量予測法を提案すると同時に, わが国主導で国際標準化に取組んでいる土構造物の性能設計法に資する成果を得ることを目的とした. 本年度は, まずはじめに, 遠心模型実験で用いる砂質土に対する圧密非排水三軸試験を行い, せん断剛性およびせん断強度を求めた. これにより実験で使用する地盤の物理的性質を知ることができた. また, 遠心模型実験を行い盛土下部地盤の液状化に伴う間隙水圧の変動状況と非液状化領域の観察を行った. 実験に当たり間隙水圧の変動を詳細に観察するため, 盛土下部地盤と周辺に合計12個の間隙水圧計を取り付け, 加振中の水圧変動を記録した. また, 盛土底部の非液状化領域について1G場で簡易に観察するため, 別途ボイリングにより液状化させた地盤模型を作成し, くさび領域の形成過程と範囲について調べた. まず, 遠心実験より, 盛土底部の拘束圧の高い領域では周辺地盤が液状化しても, 間隙水圧比が小さく完全に液状化しないことがわかった. この領域がくさびを形成しているかどうかについては, 高速度カメラ等により詳細な検討を要する(今回の研究では高速度カメラは使用していない)が, ボイリングによる簡易実験から, 液状化地盤内に不均質な領域が形成されそれがくさび状(逆三角形)であることが確認できた. 本年度実施した実験的研究により, 地盤内に形成された不均質性が盛土等の地盤構造物の変形挙動に大きな影響を与える可能性があることがわかった.
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