2007 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の減数分裂特異的発現遺伝子群の包括的単離と機能解析
Project/Area Number |
19710164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥崎 大介 Osaka University, 微生物研究所, 助教 (00346131)
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Keywords | 分裂酵母 / 減数分裂 / 配偶子形成 / コイルドコイル / 組換え / 染色体 / オルガネラ / 環境応答 |
Research Abstract |
減数分裂に特有なタンパク質問相互作用に着目して7つの減数分裂特異的Coiled-coilタンパク質を単離し、解析を行ってきた。そのうち本年度は減数第二分裂期のF-アクチンの局在に関与するMcp4タンパク質について解析を行った。アクチンは細胞の形態形成に重要な因子であることは言うまでもないが、精子形成においても精細胞特異的アクチンが半数体精子細胞の形態形成に重要であることが知られている。分裂酵母のF-アクチンには減数分裂特異的なものはない為、胞子形成時の特別な機能は時期特異的な他の因子によって制御されていると考えられる。Mcp4はF-アクチンやMeu14が形成する先端リング構造の更に内側にリング構造を形成していた。この局在性はこれまでに報告されてきた分裂酵母の局在解析の中のどれにも属さず、全く新しい減数分裂特異的構造体であった為、その新規性が評価されEukaryotic Cellの表紙として取り上げられた。減数分裂期のF-アクチンの局在性にリンクするこの新規構造体の研究は前例のない最先端に位置していると思われる。Mcp4は分裂酵母以外にオルソログは見出せないが、Mcp4の研究は全生物細胞の基本骨格の一つであるアクチンのダイナミクス制御に関する全く新しい進化的知見が得られる見込みがある。Mcp4破壊株ではF-アクチンの特徴的なリング形態のほとんどが異常になっていた。また、形成した破壊株由来の胞子はNaCl感受性を示し、発芽の遅れや生存率の低下が見られた。これらの結果から、Mcp4はF-アクチンのポジショニングに関与し、正常な胞子形成過程に貢献していると結論した。【業績(1)】申請者らはmcp4^+の解析と平行して、その他mcp3^+,2^+,1^+などのmcp^+遺伝子群についでもそれぞれ破壊株を作成し、これまで報告されてきた減数分裂特異的コイルドコイルタンパク質とあわせてその重要性を示した。【業績(3)】
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Research Products
(6 results)