2008 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の減数分裂特異的発現遺伝子群の包括的単離と機能解析
Project/Area Number |
19710164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥崎 大介 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (00346131)
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Keywords | 分裂酵母 / 減数分裂 / 配偶子形成 / コイルドコイル / 組換え / 染色体 / オルガネラ / 環境応答 |
Research Abstract |
申請者は減数分裂の制御機序の解明を目指し、減数分裂特異的に発現を示す遺伝子を分裂酵母より単離し、解析を行ってきた。本年度は、減数分裂特異的に発現するLatsファミリーメンバーであるMug27について機能解析を行った。第二減数分裂後に起こる配偶子形成過程の制御メカニズムには不明な点が多い。Latsファミリーメンバーは有糸分裂期において、核分裂後に起こる細胞質分裂の最終段階を制御するが、減数分裂においても核分裂後の配偶子形成を制御すると予想した。この経路は分裂酵母ではSeptation Initiation Network(SIN)として知られており、その構成タンパク質の多くが高等生物まで保存されている。mug27破壊株の解析を行った結果、まずLatsファミリーが分裂酵母の配偶子膜である前胞子膜の形成という膜の再構築過程に必須の役割を持つことを示した。更に第二分裂時にSPBから一部の核が分離するという興味深い現象を見出した。このことはMug27が核膜とSPBとの結合維持に機能することを示唆している。続いて、Mug27が既知のSINタンパク質とは異なる性質を持っており、そのリン酸化酵素活性が正常な前胞子膜形成に必須であることを示した。一方で、SINに関わるLats2ホモログであるSid2の過剰発現によりmug27の変異株で生じる異常を回復できることを発見した。これらの実験結果から、Mug27はSINと一部協調して配偶子膜形成を促進するモデルを提唱し、胞子形成過程におけるLatsリン酸化酵素の関わりを明らかにした。本研究で得られた成果は、配偶子形成制御に重要な知見をもたらすと考える。
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Research Products
(5 results)