2007 Fiscal Year Annual Research Report
完全長cDNAライブラリを利用した新規マラリアDNAワクチンの開発研究
Project/Area Number |
19710168
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渋井 秋子 Tokyo University of Science, 生命科学研究所, 助教 (50313846)
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Keywords | 感染症 / ゲノム / DNAワクチン / 完全長cDNAライブラリ / マラリア / GeneGun / 免疫応答 / サイトカイン |
Research Abstract |
新規マラリアDNAワクチン開発の目的で、ネズミマラリア原虫(Plasmodium berghei)の赤内型原虫からoligo-cap法で全長cDNAライブラリを作成した。2000クローンをまとめて免疫したところ有為な生存期間延長効果を認めたため、5'端塩基配列の解読を行ない1518クローンのシークエンスを決定した。これらをゲノム上にマップし、予測される遺伝子の特徴別にグループ化した。1)ワクチン候補群(分泌タンパク+膜タンパク:525クローン242遺伝子)、2)非候補群(細胞内タンパク:382クローン143遺伝子)、3)不明群(ゲノムマップ不能:611クローン)を、それぞれ、まとめてBALB/cマウス(6週齢メス各8匹)の腹部皮内にGeneGunを用いて免疫した。陽性対照は1518クローンをまとめたもの(G1518群)、陰性対照は空ベクターを免疫した。免疫後、P.berghei感染赤血球5万個を腹腔内投与で感染させ、生存期間を指標に効果を検討した。その結果、不明群で、G1518群より生存期間の延長がみられた。追試でも確認された。作用機序を解明するために、免疫学的検討を行った。免疫マウスの脾臓細胞とP.bergjei粗抗原を共培養し、P.berghei特異的サイトカイン産生を測定したところ、G1518群と不明群は、他群に比べ、IL-2, IFN-g, IL-4, IL-10の産生量が高かった。これより、サイトカインの産生が防御免疫に機能していると考えられた。
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