2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710171
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 義雄 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (20415657)
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Keywords | マイクロRNA / 標的遺伝子同定 |
Research Abstract |
マイクロRNA(miRNA)は,22塩基程度の小さなノンコーディングRNAであり,遺伝子の発現を特異的に抑制することが知られている。部分的な相補性を持つ標的mRNAの翻訳を抑制することで遺伝子発現を抑制している。これまでの解析で,多くのmiRNAは生体の発生段階で時期,組織特異的に発現し,生体の発生分化をコントロールしていることが明らかとなっているが,詳細な機構は分かっていない。 これまでの予備研究において,緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子の3'非翻訳領域にmiR-133の標的配列を挿入したウイルスベクターを構築した。このベクターにはGFPとは独立して発現する赤色蛍光タンパク質(RFP)を同一ベクターに搭載してある。GFPの下流に挿入された標的配列が,miR-133の添加によって翻訳阻害を受けると,レポーター遺伝子であるGFPの発現が抑制されることを確認している。また,筋芽細胞における筋肉への分化誘導時に,miR-133の発現上昇とともにGFPの蛍光が減少し,筋肉分化への指標としてmiRNAを利用することができることを示した。この方法は,生体内でリアルタイムにmiRNAの活性を観察できる方法としても有用であり,多くのmiRNAに対して適用できる可能性がある。また,生体内でリアルタイムにmiRNAの発現を直接的に検出できる方法についても取り組んでいる。本研究では,miRNAが標的とする遺伝子の探索システムを開発することを最終的な目的とし,今後は標的配列ライブラリーを作成し,遺伝子のスクリーニングが可能な系を構築に取り組む。
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