2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710171
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 義雄 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (20415657)
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Keywords | マイクロRNA / 標的遺伝子同定 / 遺伝子発現イメージング / 配列スクリーニング / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
マイクロRNA(miRNA)は、22塩基程度の小さなノンコーディングRNAであり、遺伝子の発現を特異的に抑制することが知られている。これまでの解析で、多くのmiRNAは生体の発生段階で時期組織特異的に発現し、生体の発生分化をコントロールしていることが明らかとなっているが、詳細な機構は分かっていない。 本研究では、miRNAを生体内で定量的に観測する技術を用い、これまで明らかとなって来なかったmiRNAの作用機序の解明を試みている。昨年度までに、2色(緑色および赤色)の蛍光タンパク質発現カセットを搭載した独自のレトロウイルスベクターを用いて、筋肉細胞特異的に発現するmiR-133を生きた細胞で観測することに成功している。 しかし従来のレトロウイルスベクターには、複数の遺伝子発現カセットが近接する場合、それらの遺伝子発現が干渉してしまうという問題点があった。そこで本年度では新たなアブローチを試み、2つの遺伝子の発現が完全に相関するレンチウイルスベクターの構築に成功した。この新しいレンチウイルスベクターを用いることにより、生きた細胞内でのmiRNAの発現の定量的解析し、なおかつイメージングすることに成功した。フローサイトメトリー解析の結果から、1細胞に1ウイルスだけ感染する条件を見つけ出し、これらの条件下でも定量的にmiRNAの発現を解析できることが明らかとなった。本ベクターを用いることによりmiRNAの標的遺伝子のような遺伝子発現が調節される配列を網羅的に探索することが可能となった。
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