2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生阻害活性を有するコルチスタチンの全合成・作用機構の解明
Project/Area Number |
19710175
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 修治 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (50419991)
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Keywords | コルチスタチン / 血管新生阻害 / 抗腫瘍活性 / 収束的全合成 / イソキノリン / 求核付加反応 / ラジカル還元 / 連続四置換炭素 |
Research Abstract |
コルチスタチン類は2006年、小林らによって海綿Corticium simplexから単離された新規ステロイドアルカロイドであり、コルチスタチンA(1)は、血管新生過程で必須である血管内皮細胞(HUVECs)の増殖を強力に阻害(IC_<50>=1.8nM)すると報告された。1の血管内皮細胞に対する増殖阻害活性は、各種培養細胞と比較して3000倍以上の選択性を示すため、副作用のない抗血管新生剤と言える。血管新生が阻害されれば、ガン細胞はアポトーシスを起こし、結果的にガン細胞は小さくなるため、1は新規抗ガン剤として注目され、現在盛んに合成研究及び構造活性相関研究が展開されている。今年度は、昨年度達成した骨格合成法を改良し(Org. Lett. 2008, 10, 3413)、またイソキノリン部の効率的合成法、さらにコルチスタチンA(1)の形式全合成を達成した(Tetrahedron Lett. 2009, in press)。特にイソキノリン部の導入法は、現在までに報告されている従来法(20〜30%)を圧倒的に上回る効率的導入法であり(73%)、コルチスタチン類の全合成研究だけでなく、より単純な血管新生阻害剤の開発に強いインパクトを与えるものである。これにより、来年度予定している1の全合成の効率化と構造活性相関、単純化アナログの創製研究に発展できる結果が得られた。
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