2007 Fiscal Year Annual Research Report
天然物を基盤とした腫瘍選択的アポトーシス誘導剤の探索研究
Project/Area Number |
19710180
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大槻 崇 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (30401011)
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Keywords | TRAIL / DR5 / アポトーシス / 天然化合物 / ルシフェラーゼアッセイ |
Research Abstract |
腫瘍選択的なアポトーシスを増強する薬剤の創製を目指して,TRAIL受容体のうちDR5の発現を誘導する化合物の探索を天然物(天然医薬資源)を対象に行った.当研究室の天然物資源ライブラリー(天然抽出物)のうち,植物エキス207種についてスクリーニングを行ったところ,12種に100μg/mLでDR5プロモーター活性(=DR5誘導活性)を2倍以上上昇させることが確認された.このうち,強い活性が認められたMillettia brandisiana(キク科),Catimbium speciosum(ショウガ科),Ehretia microphylla(ムラサキ科),Kaempferia galanga(ショウガ科)の計4種の熱帯植物を試料として選択し活性成分の探索を行い,新規化合物BrandicianinA-Fの6種を含む計25種の化合物を単離し,その化学構造を明らかにした.また,単離した化合部のうち15種は未処理群と比較してDR5プロモーター活性を有意に上昇させることが判明した.特に,Catimbium speciosumより単離したcardamominは,TRAIL耐性DLD1細胞に対してTRAIL併用時の耐性克服作用をもつことが判明した.これは,cardamominがDR5の発現上昇を通じてTRAIL耐性DLD1細胞のTRAILへの感受性を高め,TRAIL誘導性アポトーシスを増強したものと示唆された.
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