2008 Fiscal Year Annual Research Report
天然物を基盤とした腫瘍選択的アポトーシス誘導剤の探索研究
Project/Area Number |
19710180
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大槻 崇 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (30401011)
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Keywords | TRAIL / DR5 / アポトーシス / 天然化合物 / ルシフェラーゼアッセイ |
Research Abstract |
腫瘍選択的なアポトーシスを増強する薬剤の創製を目指して, TRAIL受容体のうちDR5の発現を誘導する化合物の探索を昨年度に引き続き天然物(天然医薬資源)を対象に行った. 当研究室の天然物資源ライブラリー(天然抽出物)のうち, 植物エキス250種についてスクリーニングを行ったところ, 16種に100μg/mLでDR5プロモーター活性(=DR5誘導活性)を2倍以上上昇させることが確認された. このうち, 強い活性が認められたArdisia colorata(ヤブコウジ科), Garcinia mangostana(オトギリソウ科), Eupatorium odoratum(キク科)の3種を試料として選択し活性成分の探索を行い, 新規イソフラボノイドcoloratanin Aを含む計34種の化合物を単離し, その化学構造を明らかにした. また, 単離した化合部のうち3種は, 未処理群と比較してDR5プロモーター活性を有意に上昇させることが判明した. また, 昨年度Millettia brandisiana(キク科)より単離した活性成分4'-demethyItoxicarol isoflavone (1)のTRAIL耐性克服の作用機序について検討したところ, TRAIL耐性細胞であるAGS細胞に対して濃度依存的にDR5のmRNA, タンパク量の発現を上昇させることが判明した. DR5のドミナントネガティブであるDR5/Fcキメラタンパクの添加により, 1とTRAILとの併用効果が強く抑制されたことから, DR5の発現誘導を介してTRAIL感受性を増強させ, AGS細胞のTRAIL耐性を克服したものと示唆された. 更に, 併用処理による正常細胞への影響を検討するために, ヒト胎児腎由来細胞(293T細胞)について検討を行ったところ, 併用処理による細胞生存率の低下は認められなかった.
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