2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドβペプチド(Aβ)埋込蛍光タンパク質の構築とAβ集合体のFRET検出
Project/Area Number |
19710183
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 剛 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (90345380)
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Keywords | アミロイドβペプチド / 緑色蛍光タンパク質 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / βシート / タンパク質工学 / オリゴマー / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
アミロイドβペプチド(Aβ)の集合化・オリゴマー生成は、アルツハイマー病の発症と密接に関連している。本研究め初段階として、安定なバレル構造を有する緑色蛍光タンパク質(GFP)をスキャフォードとして用い、GFP中のシート上にAβ配列を挿入した種々のGFP変異体(Aβ埋込GFP)を構築し、Aβとの相互作用およびAβの集合化阻害能について評価した。構築したAβ埋込GFPとAβとの相互作用およびAβの集合化を解析するために、表面プラズモン共鳴(SPR)法や抗Aβ抗体・抗GFP抗体を用いたEnzyme-Linked Immuno Sorbent Assay(ELISA)法により結合特性を評価した。 構築したAβ埋込GFPのうち、2種類の変異体がAβとの高い結合能およびAβの集合化阻害能を示した。このことから構築したAβ埋込GFPはAβと結合することでAβの集合化を抑制していることが明らかとなった。さら比結合能に優れた2種類の変異体を組み合わせた新規Aβ埋込GFP(SFAB4)を構築した。このSFAB4はAβとさらに強く結合し、約107の結合定数をもつことがわかった。 次に、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)法によるAβ集合体の検出を達成するために、SFAB4を土台として、アミノ酸配列置換により、黄色蛍光を発するSFAB4-YFPおよびシアン色蛍光を発するSFAB4-CFPを構築した。これを適切なリンカー配列で連結し、Aβ集合体の大きさに依存してFRETシグナルが劇的に変化する系の構築が可能になると期待できる。
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