2008 Fiscal Year Annual Research Report
構造解明を目的とした超炭素鎖有機分子シンビオジノライドの合成研究
Project/Area Number |
19710184
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高村 浩由 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70422798)
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Keywords | 海洋天然物 / 超炭素鎖有機分子 / シンビオジノライド / 合成 / 構造解明 |
Research Abstract |
海洋天然物化学は近年大きな発展を遂げ、数多くの生理活性分子が単離、構造決定されている。海洋天然物の中でも、繰り返し構造を有しておらず、高度に酸素官能基化された長い炭素鎖を有する「超炭素鎖有機分子」は、まさに海洋天然物特有の化合物群である。本化合物群はその構造的特徴と強い生理活性から、有機合成・薬理学・分子生物学の分野で注目を集めている。本研究では新規超炭素鎖有機分子シンビオジノライドの構造解明を目的とした合成研究を行っており、平成20年度の研究成果を以下に記述する。 1、C23-C34フラグメントの合成と絶対立体配置決定 L-アスパラギン酸を出発物質として、C23-C34フラグメントの考え得る4つの立体異性体を全て合成した。さらに、天然物の分解反応により得られた分解生成物との分光学的データの比較を行い、本フラグメントの絶対立体配置を合成化学的に解明した。 2、C33-C42フラグメントの合成と絶対立体配置決定 シンビオジノライドに対しエチレンガスを用いたクロスメタセシス反応を行い、分解生成物としてC33-C42フラグメントを獲得した。さらに、L-アスパラギン酸を出発物質として14段階を経ることで、本フラグメントを立体選択的に合成することができた。本合成によりC33-C42フラグメントの絶対立体配置を明らかにすることができた。 3、C79-C96フラグメントの立体選択的合成 分子内スピロアセタール化を行うことで、87位スピロアセタール構造を立体選択的に構築した。その後、アセチリドートリフレートカップリングを用い、C93-C96位の側鎖部位を導入した。さらにC93, 94位の酸素官能基を導入することで、C79-C96フラグメントを合成することができた。
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Research Products
(8 results)