2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質のリン酸化・脱リン酸化を検出する蛍光プローブの開発とその応用研究
Project/Area Number |
19710185
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水上 進 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (30420433)
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Keywords | 蛍光プローブ / 脱リン酸化 / レシオ測定 / pKa |
Research Abstract |
本年度は、前年度に開発した各プローブについて、様々なホスファターゼに対する選択性を調べた。その結果、全てのプローブに関して、酸性ホスファターゼに対して高い選択性を持つことが判明した。また、セリン/スレオニンホスファターゼおよびチロシンホスファターゼには全く認識されなかった。続いて、セリン/スレオニンに選択的に加水分解されるプローブ開発を目的として、リン酸化セリン残基を有する官能基を8位に修飾した新たなプローブをデザインし、合成・精製を行った。各ホスファターゼ選択性を調べたところ、予想に反してこの化合物も酸性ホスファターゼのみに認識・切断された。次に、各pHにおけるプローブの蛍光強度をプロットし、このプローブのpKaを調べた。プローブの原理上、pKaの前後において酵素反応による蛍光強度変化が最も大きくなる。新たに開発したプローブのpKaは前年度に開発したプローブのpKaよりも約0.5だけ酸性側にシフトしていた。すなわち、酸性ホスファターゼに適したpHである弱酸性領域において、最も強度変化の大きいプローブであった。本プローブを用いた測定結果より、7-ヒドロキシル基の近傍にアミノ基を修飾することによって、プローブの至適pHを酸性側にシフトできることが分かった。これにより、更なるプローブ改良の設計指針が得られた。本研究で開発した一連のプローブは、酸性ホスファターゼに高い選択性を有しており、骨転移癌などで活性化する酸性ホスファターゼのイメージング、あるいは阻害剤のスクリーニングなどに有用であると予想される。
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Research Products
(14 results)