2007 Fiscal Year Annual Research Report
リガンドの共有結合に伴う核内受容体活性化キネティクスの解析
Project/Area Number |
19710187
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白木 琢磨 Osaka University, 蛋白質研究所寄附研究部門, 助教 (10311747)
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Keywords | 核内受容体 / キネティクス / 共有結合 / ストップトフロー |
Research Abstract |
本研究では、核内受容体PPARgに対する内在性リガンドが、リガンドの化学構造に含まれるa,b-不飽和ケトンによりPPARgのリガンド結合ドメインに共有結合することで活性化する過程を解析することで、核内受容体の活性化機構を明らかにすることを目標としている。 平成19年度はリガンドの結合キネティクスを測定する装置の開発を行った。以前は測定に伴うリガンドの光分解を抑えるために独自に開発した装置を用い、リガンドの吸収スペクトルの変化をストップトフローで測定していた。しかし、この方法では核内受容体側の情報を全く得ることが出来ない。そこで、核内受容体に蛍光蛋白質を融合し、蛍光リガンドを結合することで、FRETを測定する方法を開発した。この方法をストップトフローに応用し、リガンドが受容体に結合していくキネティクスをより詳細に観察する事を可能にした。その結果、リガンドは受容体に対して、衝突、ポケット内部への浸潤を経て共有結合に至ることが明らかとなった。スペクトル変化のフィッティングを行った結果、衝突は約数十ミリ秒、浸潤は数秒、共有結合は数十秒の時間スケールで起こっていることがわかった。衝突前、浸潤後および共有結合後の結晶構造を解析した結果、浸潤と共有結合で異なった領域に構造変化が観察された。今後、リガンドの結合に伴って引き起こされるこれらの構造変化が、受容体活性化にどのようにっながるのかを解析予定である。
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Research Products
(1 results)