2007 Fiscal Year Annual Research Report
根粒形成に関与する根粒菌成分とその植物免疫反応の研究
Project/Area Number |
19710188
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
橋本 雅仁 Kagoshima University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30333537)
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Keywords | マメ科植物 / ミヤコグサ / 根粒菌 / Mesorhizobium loti / リポ多糖 / リポオリゴ糖 / 菌体外多糖 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
マメ科作物には根粒菌が共生することが知られている。しかし、その感染成立、それに続く根粒形成過程での植物細胞と根粒菌の相互作用の詳細については十分に明らかになっていない。根粒菌とマメ科植物には厳密な相互認識機構が存在し、特定の共生パートナーのみを選別する。最近、申請者らは、マメ科植物の根に共生パートナーの根粒菌が感染する際、その極初期に感染部位で植物の病原応答のシグナル分子である一酸化窒素(NO)が産生されることを見いだした。そこで本研究は、根粒菌によるNO産生誘導機構の解明を目的とし、相互作用に関与する菌体側成分の分離、化学構造の解析、および植物側レセプターの同定を目指した。 本年度は、NO産生誘導活性を持つ菌体成分の抽出と構造解析をおこなった。まず、抽出を検討した。Mesorhizobium lotiを用い、菌体のフェノール抽出によりリポ多糖(LPS)、リポオリゴ糖(LOS)を、培養上製のエタノール沈殿により菌体外多糖(EPS)を得た。これらの3画分はすべてミヤコグサ根に対するNO誘導活性を示した。ついで、構造を組成分析および核磁気共鳴を用いて検討した。LPSは、デオキシ糖を主成分に含む多糖構造を持つことがわかったが、O-メチル化修飾が部分的におこっており構造多様性が大きいことも明らかになった。LPS中の糖脂質であるリピドAは脂肪酸本数、構成脂肪酸鎖長に多様性を持つ構造であることがわかった。EPSは、グルコースを主成分とする構造を持つことがわかった。
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Research Products
(2 results)