2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710190
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鵜飼 和代 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (60433512)
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Keywords | マヒトデ / Asterias amurensis / 自切 / 自切誘起因子 / APF / ニコチンアミド / N-メチルキノリン酸 / NMDA受容体 |
Research Abstract |
マヒトテ(Asterias amurensis)を中心に昨年度までに同定した自切誘起因子(APF)であるニコチンアミドとN-メチルキノリン酸の混合物を用いて、自切を誘起し、これまでに解明したその分子機構の解明を目的として、関連受容体の阻害剤試験を行った。その結果、グルタミン酸神経系NMDA受容体をはじめとしたグルタミン酸神経系が関与すること、これらの神経系を制御するDARPP-32とも連動し、protein phosphatase 1の阻害が継続することにより、自切を促進することが分かった。多量のニコチンアミドは、一部のNAD代謝系を阻害することがあるため、関連する酵素の阻害実験を実施した。NAD依存性のサーチュインやprotein phosphatase 2Bの阻害が自切時間を短縮した。Cyclic ADP riboseとAPFを投与すると、自切が遅延することから、CD38を介したcyclic ADP ribose産生経路が阻害されることが、自切誘起の機構の一つであることが示唆された。 阻害剤試験などから自切への関与が示唆されたNMDA受容体のNR1、DARPP-32とN-メチルキノリン酸はキノリン酸がメチル化したものと予想されることから、キノリン酸の産生酵素である3H34DAの遺伝子がマヒトデに存在するかどうかの研究を開始した。いずれも、棘皮動物に存在することが確認されていないため、ヒトあるいはマウス、ラットでの配列を基にプライマーを作成し探索を行ったところ、増幅するフラグメントが得られた。
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Research Products
(3 results)