2007 Fiscal Year Annual Research Report
湖沼生態系の健全化レジームシフトにむけた水生植物の発芽・定着条件の研究
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19710198
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西廣 淳 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (60334330)
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Keywords | レジームシフト / 非線形性 / 自然再生 / 発芽特性 / 土壌シードバンク / 湖沼 / 霞ケ浦 / 印旛沼 |
Research Abstract |
植生帯が衰退・消失しつつある湖沼である霞ケ浦および印旛沼、比較的良好な植生が残存しているものの衰退の兆候が認められるシラルトロ湖において植生調査を行った。その結果、水域において植生の種組成や環境条件に大きく寄与するキーストーン種として、富栄養化が進行している湖沼水域でのヒシ(オニビシを含む)(ヒシ科)の重要性、および湖沼沿岸の湿性草原におけるカモノハシ(イネ科)の重要性が示された。これらの種の有無により、植生の種組成や種多様性が大きく左右される。これらのキーストーン種について、発芽・定着条件や生育条件などの生態学的特性について実験的に検討するととともに、植生の種組成・種多様性に影響するメカニズム(ファシリテーション効果を含む)についての調査を開始した。印旛沼のオニビシについては、休眠解除に低温処理が必要であることとともに、発芽可能温度域が示された。今後、実験から予測されな発芽時期や生育適地を、現地調査から検証する予定である。また、カモノハシの成育が湿地の植物の多様性に貢献するメカニズムについて、カモノハシが形成する微凸地形が、他の湿生植物の発芽・定着適地の形成に寄与しているという仮説をたて、それを検証する野外調査を開始した。
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Research Products
(8 results)