2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710207
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
山口 公一 Otemon Gakuin University, 経営学部, 准教授 (20447585)
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Keywords | 地域研究 / 東アジア / 朝鮮 |
Research Abstract |
朝鮮総督府によるさまざまな「総合」政策への朝鮮社会の対応、反応を、朝鮮社会や朝鮮民衆との相互作用をふまえた植民地期朝鮮における政治・社会の実相を明らかにする前提として、平成21年度においては、資料調査・収集を行った。収集資料をもとにして、研究成果を学会で発表し、植民地社会に生きる朝鮮民衆のメンタリティーなどを明らかにした。なお、朝鮮人上層についての分析は途上の段階にあり、地方諮問機関(議決機関)を対象にした研究成果を出すために、なお、今後、引き続き研究を進展させていく必要がある。 平成21年度の作業、成果は以下の通りである。 (1) 前年度に引き続き、韓国ソウルにおける国家記録院ソウル情報センター、ソワル大字校中央図書館における地方行政関連史料(『大東亜戦争勃発後ニ於ケル特殊犯罪綴』等治安・警察関連史料、道行政関連綴、各府の予算・決算綴、字務行政関連綴など)の収集・整理を行った。 (2) 収集資料をもとにして、学会報告を行った(「「不穏言論」にみる戦時期の朝鮮社会と民衆」「東京学芸大学史学会大会・6/21」、「アジア・太平洋戦争期、朝鮮における民衆と社会の動向」[東京歴史科学研究会委員会合宿・9/19]、「植民地期朝鮮における「神社整理」の展開」[朝鮮史研究会関西部会例会・11/28]。 (3) 1920年代後半、朝鮮における私立から公立学校への改組を経験し、戦争、解放という激動めながで朝鮮人教育に携わったある中学校の教育記録の翻訳を行い、教育における植民地期における「統合」政策への朝鮮社会の対応、反応を明らかにする一事例を示した(平壌第三公立中学校総同窓会校史編纂委員会編『平壌三中字窓の追遠史-朝鮮植民地時代末期の中学校の教育記録』明石書店、2010年1月、共訳書)。
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Research Products
(5 results)