2010 Fiscal Year Annual Research Report
定点継続フィールドワークによるミャンマー天水畑作農村の在来知と地域生態史の解明
Project/Area Number |
19710214
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松田 正彦 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (60434693)
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Keywords | ミャンマー / ビルマ / 農業生態 / 農村開発 / 半乾燥地 |
Research Abstract |
本研究では、現地調査に基づく農村研究が極めて少ないミャンマーで農村フィールドワークを継続的に実施し、ミャンマー国の農村における在来知を解明しようとしてきた。本年度は計画最終年度にあたる。本年度は、まず、これまでの現地調査で得られた農村部住民への聞き取りデータや政府機関の二次データの整理・分析をさらにすすめた。これらにより、同国中央部の半乾燥気候地域において生態・経済的な不確実性が作物生産や農家収入へおよぼす影響を定量的に明らかにするとともに、それらを緩和する農業生態的メカニズムをローカルな農業・生業システムの中に見出すことができた。次に、ここで示されたミャンマー中央乾燥平原の在来農業・生業システムの特徴を、他地域のそれらと比較することで、より明確化した。具体的には、同国内の異なる農業生態区(デルタ地域)において確立されている農業システムの把握(複数回の現地調査)、東南アジアの他地域(東北タイ)やアフリカ半乾燥地域の生業システムにおいてこれまで明らかになっている知見との対照(先行研究の網羅的な調査)をおこなった。さらに、研究対象地域あるいは半乾燥地域一般の農業・農村開発の望ましいあり方を考える上で、この研究結果から導かれる指針を考察した。これについては、ミャンマー国で開催された研究会やセミナーでの報告と議論を通じて、同国の開発事業の実践者ら(政府機関の職員・研究者、国際開発援助機関や国際NGOの職員など)と知見の共有をはかった。
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