2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバライゼーションとジェンダー -海外進出日系企業の女性雇用の実態分析-
Project/Area Number |
19710216
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
首藤 若菜 Japan Women's University, 家政学部, 講師 (30323158)
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Keywords | 女性労働 / グローバル化 / 国際比較 / ジェンダー |
Research Abstract |
本研究の課題は、海外進出した日系企業の雇用実態をジェンダーの視点から分析することである。伝統的な男性職場である自動車産業を対象に、海外工場と日本工場との間で、女性の雇用管理の実態がどのように異なるのか、またその違いを生み出す要因はどこにあるのかについて、労務管理の方法および各国の法制度、男女平等政策の視角から、検証する。 平成19年度は、大手自動車メーカーのイギリス工場と日本工場との比較研究をすすめた。日本工場との労務管理上の違いとしては、日本工場において、男女の筋力・体力差に配慮した労務管理が実施されているのに対して、イギリス工場では、ほぼまったくそのような配慮がみられないことがわかった。これが、日本とイギリスの男女筋力差の有無によるものなのか、いわゆるジェンダー意識によるものなのかは、不明である。同時に、イギリス工場でも、日本工場と同じように、女性技能職の比率は大幅な増加はしていないなど、国内工場と海外工場の類似点も多々みられる。今後、海外工場と国内工場との国際比較をおこなうにあたって、工場の現場調査のみならず、本社への調査を実施し、海外工場の労務管理に、本社からどのような指示が出されているのかを明らかにする必要性を感じた。同時に、今年度は、EUおよびイギリスにおける労働に関する男女平等政策について、文献、資料を収集した。本年度は文献及び資料収集に予想以上の時間を取られ、収集した資料の整理、分析は来年度の課題として残された。
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