2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本の性的マイノリティにおける名づけと自己表象をめぐる分析と理論構築
Project/Area Number |
19710222
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 晶子 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (40361589)
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Keywords | フェミニズム / クィア / 自己表象 / 日本 / 性的マイノリティ |
Research Abstract |
1.日本の性的マイノリティの自己表象可能性をめぐる学会発表 第41回アメリカ学会年次大会学会発表(2007/6/10立教大学)、「ナショナルな公共性、ネオリベラルな私秘性」、および、2007IACSS Shanghai Conference, 'Conditions of Knowledge and Cultural Productions'学会発表(2007/06/16上海大学)、'Surviving the nisrecognition; how to un/do identity politics'。 ネオリベラリズムとネオコンサバティズムの言説が重なり合いつつも前者がより顕著にヘゲモニーを獲得してきたここ2年ほどの日本の状況をふまえ、ネオリベラリズムにあわせて政治領域を再編成すると同時にナショナル=パブリックな枠組みを維持するような「性の政治」の台頭と、その政治においていかなる存在が置き去りにされているのかを、具体例としてイトー・ターリのパフォーマンス作品と伏見憲明の最新著とを対照的に分析しながら、指摘する。 <フィードバック> とりわけ上海大学における国際学会では、ネオリベラリズムとナショナリズムの双方に目配せをするような自己表象を通じて存在承認を得ようとするゲイ/クィアな政治言説が、日本だけではなく、香港や台湾など東アジアの他の地域においても目立っていきていることが指摘された。 2.バックラッシュへの対抗言説におけるマイノリティ自己表象とクィアの消滅についての公開研究会発表 日本女性学会公開研究会<06年大会シンポをうけておもうこと>(2007/12/22 国立社会保障・人口問題研究所)、「対立の禁止が対立を作り出す」。 バックラッシュの中でのフェミニズム側からの対抗言説が日本における性的マイノリティの存在を消去する形で組み立てられてきた様子を分析する。
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Research Products
(3 results)