2010 Fiscal Year Annual Research Report
リプロダクティブ・ライツと少子化問題-抽象的規範から具体的権利の確立へ-
Project/Area Number |
19710225
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
谷口 真由美 大阪国際大学, 現代社会学部, 准教授 (90388653)
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Keywords | リプロダクティブ・ライツ / 少子化問題 / 産む自由 / 産まない自由 / 産めない事由 / リプロダクティブ・セキュリティ / 性と生殖の自己決定権 / 法・政策 |
Research Abstract |
今年度も、昨年に引き続き文献収集及び精査に努め、最終年度であるため、これまでのまとめに入った。 文献収集及び精査については、高価な図書等の購入ができ研究の助けとなった。昨年度の報告にも記載したとおり、日本が少子化になっている背景には「リプロダクティブ・ライツ」が保障されていないこと、それはつまり「リプロダクティブ・セキュリティ(性と生殖の安全保障)」が確保されていないからだと考えた。そのことについて「リプロダクティブ・セキュリティ概念の一考察-産む(産める)自由は確保されているのか?安心して産める社会とは?-」と題し、(財)世界人権問題研究センター研究紀要16号(2011年6月刊行予定)に論文を発表する。 本論文では、リプロダクティブ・セキュリティの観点から、女性やカップルは、子どもを「産まない」という理由だけではなく、「産めない」(産みたいのに産めない・産んでも育てられない)という事情を明らかにした。「産みたいのに産めない」という状況があるとき、それは人権問題なのである。かかる問題には、ジェンダーの問題や、経済的問題、産科医療の問題等、複合的な問題が絡み合っている状況である。安心して産める・生んで育てられる社会とはどのような社会なのか。少子化対策を考えるならば、「産めない事情」を十分に把握・理解し、「産める基盤」 を整備することが必要なのである。これらのことにつき、リプロダクティブ・ライツやリプロダクティブ・セキュリティの観点から明らかにした。 最終年度である平成22年度は、これまでの課題を明確にし、リプロダクティブ・ライツが具体的権利となり得るために必要な論点整理を行った。今後は、更に人権としてのリプロダクティブ・ライツの視点から、「産む自由」の研究を進めていく所存である。
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Research Products
(1 results)