2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720024
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
京谷 啓徳 Kyushu University, 人文科学研究院, 准教授 (70322063)
|
Keywords | 祝祭 / アッパラート / 行列 / 活人画 / タブロー・ヴィヴァン / 凱旋門 |
Research Abstract |
おおむね平成20年度科学研究費補助金交付申請書の記載に従い、順調に研究が遂行された。ただし申請書に記載した海外旅費は、今年度は別の資金を充てることになったので、国内旅費に変更し、国内の諸研究機関に所蔵される関係資料の調査および収集につとめた。 (1)古代風凱旋入城式のしるしとしてのアッパラート(仮設建造物)および(2)メッセージの展示スペースとしてのアッパラートについては、各種資料の収集を行った。(3)タブロー・ヴィヴァン(活人画)の舞台としてのアッパラートについては、とりわけカール5世の1515年の入市式の様子を報告するフェスティヴァル・ブックを中心に調査を行い、その図像プログラム構成上の特徴、イメージの提示法の宗教美術からの援用、タブロー・ヴィヴァン利用の効用について考察をおこなった。とりわけ宗教的コンテクストにおける聖なるものの提示との共通性が明らかとなった。上記の内容について、18世紀音楽協会にて、とりわけバッハの時代の宮廷における祝祭を中心に講演をおこない、好評を得た。また、ルネサンス期の君主の入市式におけるタブロー・ヴィヴァンの使用に関しては、「タブロー・ヴィヴァン考-その入市式における使用をめぐって」と題した論文を、雑誌『西洋美術研究』に執筆した(出版は21年6月予定)。 近代以降の活人画への影響としては、昨年度に引き続き、とりわけ大正および昭和初期の日本の大衆芸能における活人画のあり方について、阪急池田文庫での文献調査などを行い、多くの新知見を得た。
|
Research Products
(1 results)