2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720030
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西林 孝浩 Ritsumeikan University, 文学部, 准教授 (90388083)
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Keywords | 美術史 / 敦煌壁画 |
Research Abstract |
今年度は、中国およびインドでの現地調査を実施した。まず8月12日〜25日まで、中国の西安、敦煌莫高窟、龍門石窟、北京にて調査および資料収集を行った。敦煌莫高窟では第220窟や第332窟、第217窟など、唐代前半期(7〜8世紀)の壁画を重点的に調査し、図様の詳細について確認作業を行った。龍門石窟では、唐代前半期美術の展開に関わる彫像作例について重点的に確認作業を行った。また2月26日〜3月17日まで、インドのニューデリー国立博物館、マトゥラー考古博物館、アジャンタ石窟、エローラ石窟、ピタルコーラー石窟、エレファンタ石窟、カールラー石窟等において調査および資料収集を行った。とくに唐代美術への影響という見地から、グプタ〜ポストグプタ期(4世紀〜8世紀初)の彫像作例および壁画作例について重点的に確認作業を行った。 以上の調査において蒐集した資料は現在、整理を継続中であるが、今後の見通しとしては、龍門石窟における作例との比較作業から、敦煌唐代前半期美術の展開における地域的な特異性や、唐代美術全般の共通性について、より具体的に抽出できることが期待できる。またインド作例との比較作業から、唐代前半期美術の様式・図像的源流、および唐代前半期美術の飛躍的な展開時期の問題、更にはその敦煌への伝来時期の問題についても新たな知見を提供できることが期待できる。 次年度にこれらの調査研究成果の一部を公にする予定である。
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