2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720030
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西林 孝浩 Ritsumeikan University, 文学部, 准教授 (90388083)
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Keywords | 美術史 / 中国美術 / 敦煌壁画 / 唐 / 仏教石窟 |
Research Abstract |
前年度の敦煌およびインド仏教石窟における調査を踏まえ、新たに研究書籍などを収集しつつ、敦煌唐代前半期壁画の検討を継続した。 1、中原の仏教美術との対応関係といった、より大きな視点から敦煌壁画を把握するため8月11〜24日に洛陽の龍門石窟、杭州の飛来峰石窟等にて実地観察を行いつつ資料収集につとめた。 2、唐代大画面変相図の成立および唐代敦煌壁画の主題検討に関して、仏教美術の源流であるインドの仏教絵画における構図や描法、また彫像や絵画の様式を把握するため、前年度に続き、3月4〜20日に、インドのアジャンタ石窟、エローラ石窟、アウランガバード石窟、ナーシク石窟、ニューデリー国立博物館等にて実地観察を行いつつ資料収集につとめた。 これら、海外調査で収集した資料については、目下、整理と検証を進めているところである。また、唐代敦煌壁画の主題検討に関わって、仏教経典の分析も、前年度に引き続き、実施した。 なお、本研究の直接の研究成果ではないが、本研究の申請と開始にあたっての契機となった論文「217窟小考」(2006年12月に入稿完了。当初の刊行予定は2006年度末)が、想定外のやむを得ない事情により遅れていたものの、ようやく刊行されることとなったので、ここにあわせて報告しておきたい。 西林孝浩「217窟小考」『朝日敦煌研究員派遣制度記念誌』朝日新聞社、2008年3月
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