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2007 Fiscal Year Annual Research Report

江戸時代中期における漢詩文の日本化の様相-日本人は漢詩文で自己表現し得たか-

Research Project

Project/Area Number 19720048
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

中島 貴奈  Nagasaki University, 教育学部, 准教授 (10380809)

Keywords国文学 / 中国文学 / 比較文学
Research Abstract

平成19年度は,江戸時代中期を代表する漢詩人六如の作品について,まず中国の南宋詩とりわけ陸游の影響を明らかにした上で,中国の作品には見られない特徴すなわち「日本化」の部分について考察を行った。南宋詩の影響については,従来は漠然とその影響が指摘されるにとどまっていたが,当時長崎に渡来した南宋の詩人の詩文集との関わりも視野に入れ,南宋詩の流行を裏付けた点が新しい点といえる。また,南宋詩の受容といってもひとくくりにできるものではなく,個々の詩人や時代によっても差違があることを明らかにしたことも,これまでにはなかった指摘である。さらにその上で,六如の詩は表現においては南宋詩の影響を強く受けながらも,内容面においては同時代人に顕著に見られる自己認識としての「狂」を詠み込んだり,日本的な題材を詠むなどの「日本化」が見いだせることを明らかにすることができた。これらの成果については,2008年3月に台湾で開催された「日本漢学国際学術研討会」において発表を行い,中国・台湾の研究者から貴重な意見を聞くことができた。なお,台湾の学会は事前に論文を提出し,学会後訂正を加えてさらにそれを冊子として発表するという手順をとるため,論文執筆も平成19年度中に行ったが,発表は平成20年度になる。平成20年度以降も同様に六如の詩に見られるその他の「日本化」の諸相や,他の漢詩人についても考察し,発表をして行く予定である。
また,スキャナー等を用いて六如の詩のデータベース化も進めた。まだ一部のみの校正段階であり,公開するには至っていないが,論文作成段階に於いて個人的に使用し,非常に有用であった。平成20年度以降も引き続き作業を進め,少なくとも六如の詩についてはすべてを完成させ,公開してゆきたいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 江戸時代における陸游詩受容について-中・後期を中心に-2008

    • Author(s)
      中島貴奈
    • Organizer
      日本漢学国際学術研討会
    • Place of Presentation
      台湾大学(台湾)
    • Year and Date
      2008-03-28

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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