2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代ドイツ言語論における詩の位置-ヘルダーリンを中心に
Project/Area Number |
19720061
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
畠山 寛 University of the Sacred Heart, 文学部, 講師 (30401160)
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Keywords | ドイツ文学 / ヘルダーリン / 詩 / ペーター・ソンディ |
Research Abstract |
平成20年度の研究成果として、まず、昨年から取り組んでいたペーター・ソンディの『ヘルダーリン研究』を法政大学出版から刊行できた(2009年1月)ことが挙げられる。この本ではまず、文献学の方法論が述べられ、それを受けてヘルダーリンの後期讃歌の分析と解釈がおこなわれ、続いて詩論をめぐる研究史批判と詩学構想の解明を展開している。そのことからもわかるように、この研究書ではヘルダーリンに関する研究がなされているだけではなく、文献学における認識とはどのようなものであるべきかという文学研究にとって根本的な問題を扱っている。そういう意味で、この本が翻訳され出版されたのは、ヘルダーリン研究だけではなく、文学研究全般において大きな意味をもつものである。難解なテクストだけに、数年来ヘルダーリン研究会で議論を重ねてもなかなか結論にいたらなかった個所も多く、最終的な訳稿を出すまでに思いのほか時間がかかった。だがこの翻訳作業を通じ、研究会に参加している研究者との意見交換や議論を重ねることができ、自分の研究者としての幅を広げることができたのも大きな成果であった。 夏に渡独し、ヘルダーリン関係の文献が集められているシュトゥットガルトのヘルダーリン・アーカイブに行き、本研究に必要な資料の収集を行った。今回は主に悲劇『エムペドクレス』関連の二次文献を集めてきた。その成果は研究期間最終年度である、平成21年度に執筆予定の『エムペドクレス』論において具体的に示すことになる。
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Research Products
(1 results)