2007 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ・ルネッサンス期文学における風景及び空間表象のイデオロギー分析
Project/Area Number |
19720065
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
城戸 光世 The University of Kitakyushu, 外国語学部, 准教授 (10351991)
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Keywords | アメリカ文学研究 / アメリカン・ルネサンス文学 / ナサニエル・ホーソーン / 文学における風景表象 / フロンティア / ウィルダネス / ユートピア文学 |
Research Abstract |
今年度の研究成果としては,昨年度イギリス・ロマン派学会中四国支部第28回大会におけるシンポジウム〈ヴィクトリア朝時代のホーソーン:ホーソーンの創作活動と周囲の人々との軋櫟〉で,ホーソーンがイギリス滞在経験をもとに執筆したOur Old Homeを取り上げ,パネリストの一人として発表した原稿を改稿した拙論が,『英詩評論』第23号に「ホーソーン家の"terrible hornet's nest"-作家と作品とその評価を巡って-」として掲載された。また本研究課題達成のために不可欠な現地調査のために,9月にはアメリカ合衆国東海岸各地の大学や図書館等を訪れ資料収集を行った。またこの現地調査中に,19世紀アメリカ・ルネッサンス期を代表する作家ホーソーンの妻ソファイアや,当時のボストンにおける有力な女性知識人の一人,エリザベス・ピーボディら姉妹の伝記を綴ったPeabody Sistersの翻訳を進めるため,原著者であるMegan Marshall女史をボストンの大学に訪れ,質問や確認等の作業を行った。1月には共著『エコトピアと環境正義の文学-日米より展望する広島からユッカマウンテンへ』が晃洋書房より刊行され,そこに拙論「人工のエデン,廃嘘のアメリカ-J・F・クーパーとホーソーンのユートピア批評」および,共同執筆したユートピア文献案内が所収された。3月には研究課題でもある,アメリカ・ルネッサンス作家たちと現代のネイチャーライターたちのウィルダネス観を比較しつつ,ホーソーンのウィルダネス観をその作品に探る発表を二つ(「ホーソーンとウィルダネス-〈他者〉への接近」(平成19年度第3回アメリカ・エスニック文学研究会,3月7日,於広島大学)および「森の光と文明の闇と-ホーソーンのウィルダネス再考」(第30回日本ナサニエル・ホーソーン協会九州支部研究会,3月29日,於福岡大学)行った。
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Research Products
(5 results)