2008 Fiscal Year Annual Research Report
ビルマ歌謡におけるジャンル形成:18-19世紀の歌謡創作技法の分析を中心として
Project/Area Number |
19720076
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
井上 さゆり Tokyo University of Foreign Studies, 外国語学部, 研究員 (40447503)
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Keywords | ビルマ / 音楽 / 歌謡 / 文学 / ジャンル / 写本 / 貝葉 / 詩 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ビルマ国文学の核である「タチンジー」と総称される古典歌謡におけるジャンル形成過程を明らかにすることである。20年度の作業として実施したのは、第一に、現地における古典歌謡教授方法・芸能コンクールの調査(8-9月)である。この調査においては、ビルマ古典歌謡の楽器である竪琴の教授をマンダレーにおける代表的な竪琴教師のドー・キンメイから受け、さらに芸能コンクールの地方予選の模様をビデオで撮影記録した。ビルマ古典歌謡の教授は現在でも楽譜を使用せずに口頭による伝承が主であり、本研究を通して定期的に現地で教授を受けることは、口頭伝承のあり方の実体験という点でも重要であるだけでなく、創作方法の考察にも重要であり、本研究課題の目的であるジャンル形成過程を明らかにするために欠かせない。20年度はこれまでの調査の結果を踏まえ、10月3日にアメリカ・イリノイ州Northern Illinois Universityで開催されたBurma Studies Conferenceにおいて口頭発表を行った。また、10月にはSociety for Ethnomusicology学会(Wesleyan University、アメリカ)に参加し、ビルマ古典音楽並びに民族音楽研究の大家であるRobert Garfias、Judith Beckerと議論を行った。さらに、昨年度投稿・受理された論文の校正を行い、「ビルマ古典歌謡における創作技法とジャンルの分化-チョー(弦歌)からパッピョー(鼓歌)へ-」(『東南アジア歴史と文化』)「ビルマ古典歌謡における作品とジャンルの関係-演奏様式の解釈としてのジャンル-」(『東洋音楽研究』)が発行された。
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Research Products
(3 results)