2007 Fiscal Year Annual Research Report
植民地朝鮮における近代児童文学の成立と日本児童文学の交渉
Project/Area Number |
19720084
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Research Institution | Tokyo Junshin Women's College |
Principal Investigator |
大竹 聖美 Tokyo Junshin Women's College, 現代文化学部, 准教授 (60386795)
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Keywords | 児童文化 / 児童文学 / 日本:朝鮮:韓国:台湾 / 近代 / 植民地 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近代の日本の児童文学と、同時代の植民地における児童文学を複眼的に研究するところにある。 19年度の研究では、次の3点に関して研究が進められた。 (1) 韓国国立中央図書館(ソウル)所蔵の旧朝鮮総督府附属図書館の蔵書調査および児童対象日本語書籍の研究。 (2) 李在徹博士(前韓国児童文学学会会長・壇国大学校名誉教授)が所蔵する、1920・30年代の韓国児童文学雑誌の調査。 (3) 旧台湾総督府附属図書館の児童対象日本語書籍の目録調査。 以上の研究では、研究計画に挙げられた4つの視点で調査資料が考察された。4つの視点は次の通りである。 (1) 近代朝鮮における日本児童文学の受容・影響 (2) 近代日本児童文学における「朝鮮」への眼差しと枠組み (3) 植民地政策との関係-「国語普及」「思想善導」と日本児童文学 (4) 「民族独立運動」「抗日運動」と児童文学運動の関係 以上のような研究対象と研究視点によって行われた研究活動を通して得られた成果は、そのごく一部分が2本の論文として整理され発表された。以下の通りである。 大竹聖美『金素雲の子ども観-朝鮮の「おさなごころ」と「民俗」、『朝鮮童謡選』と郷土の子どもたちへの想い』白百合女子大学児童文化研究センター研究論文集、11巻 大竹聖美『日本と韓国『鉄道唱歌』-大和田建樹『満韓鉄道唱歌』(1906)と崔南善『京釜鉄道歌』(1908)』東京純心女子大学紀要、12号
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