2007 Fiscal Year Annual Research Report
韻律情報の有効性と視覚的文脈情報の関わりについての聞き手と話し手の立場からの検討
Project/Area Number |
19720092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広瀬 友紀 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (50322095)
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Keywords | プロソディ / 曖昧文 |
Research Abstract |
本研究は、実時間の音声言語処理にかかわる課題を遂行する際の自然な言語利用環境下での、即時的処理過程を反映したデータを得ることをめざした。 本年度は、日本語における左右枝分かれに関する曖昧性およびWh句の作用域に関する曖昧性の理解および産出について、話し手と聞き手による韻律情報の使われ方について検討するための実験を引き続き行った。 日本語における左右枝分かれに関する曖昧性においては、語彙アクセントおよび視覚的情報という、統語的情報以外の情報が文処理および産出に影響を与え、その結果、話し手と聞き手の間で韻律情報の操作における異なったパターンが観察された。即ち、これまで前提とされてきた、話し手と聞き手が、統語と韻律のインターフェイスのあり方について同じ知識を共有するという考え方に疑問を呈することとなった。この結果の一部は別途国際学会にて発表し、雑誌論文として発表した。さらにWh句の作用域に関する曖昧性)についても同様のアプローチで実験を行い、話し手と聞き手の間で韻律情報の操作における異なったパターンをリアルタイムの文処理という観点から説明を試みた。
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Research Products
(1 results)