2011 Fiscal Year Annual Research Report
韻律情報の有効性と視覚的文脈情報の関わりについての聞き手と話し手の立場からの検討
Project/Area Number |
19720092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広瀬 友紀 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (50322095)
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Keywords | 視覚世界パラダイム / 韻律情報 / 視覚文脈 / 統語的曖昧性 |
Research Abstract |
本プロジェクトは、以下二点のテーマに沿って進めてきた。 -まず、韻律情報がむしろ有効機能しない原因に注目し、発話における韻律構造を左右する要因と、聞き手にとって韻律情報がもたらすと期待される統語構造に関する情報との間の対応のあり方をより詳細に検証する。 -さらに、韻律情報を左右しうる非統語的要因として、視覚的に操作された文脈情報に着目する。視覚的情報を含んだ状況下での話し手・聞き手の振るまいを観察することにより、より自然な言語使用に近い状態での発話および理解のしくみを捉えることが可能にすることをめざす。 この具体的な成果としてはまず、枝分かれ構造における曖昧性の解釈に関して、韻律情報およびそれ以外(統語的処理偏向・視覚文脈の効果)の相互作用に関する視覚世界実験を行ってきた。最終年度である23年度は、視覚を通して得られる文脈情報・韻律情報により示される情報が整合している場合としていない場合の要因の組み合わせに多様性を持たせ、更にアクセントパターンについても条件を増やして多数の実験を行った。その成果は、いずれも共同研究者との共著として国内外の学会(Experimental and Theoretical Advances in Prosody 2等)で発表し、また論文の形にまとめたものを現在投稿中である。さらに、Wh句の解釈領域に関する暖昧性を題材にした知覚実験および産出実験の結果を論文にまとめ国際雑誌に投稿した。
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Research Products
(6 results)