2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国西南部の同系多言語社会における地域特徴形成の調査研究
Project/Area Number |
19720095
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
白井 聡子 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (70372555)
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Keywords | ダパ語 / チベット / 川西走廊諸語 / チベット=ビルマ語派 / フィールドワーク / 地域言語学 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
中国四川省甘孜蔵族自治州道孚県において、ダパ語メト方言の文法調査および民話等のテクスト資料を収集した。調査で得た資料はデータ化して分析対象としたほか、音声ファイルをDVD-Rに保存して、他の研究者にも利用可能な形にした。なお、調査地である中国四川省西部の情勢が不安定で、外国人の立ち入り制限や暴動等か巻き込まれる危険があったため、現地調査の時期を冬に変更し、期間も2週間に短縮して実施した。 現地調査の資料をもとに、ダパ語の分析および地域特徴形成の分析を進めた。今年度は、存在動詞、動詞連続、方向接辞、アスペクトについての分析を中心に進めた。存在動詞についてはこれまでの分析をまとめ、論文として発表した。その中で、項の有生性と存在動詞の意味が相関する現象を明らかにした。また、動詞連続構造と助動詞構造がダパ語の中でどのような違いを示すかについての分析や、地域特徴としての方向接辞に関する記述と分析、方向接辞の付加と動詞のアスペクトとの関係に関する分析などをそれぞれ学会およびシンポジウムで発表・討議し、さらに論文として発表した。このほか、存在動詞によって結果状態のアスペクトが表される現象について、周辺言語との対象から構造的借用であることを示し、学会で発表した。
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Research Products
(6 results)