2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国西南部の同系多言語社会における地域特徴形成の調査研究
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19720095
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
白井 聡子 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (70372555)
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Keywords | ダパ語 / ギャロン語 / 川西走廊諸語 / チベット=ビルマ語派 / フィールドワーク / 地域言語学 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
中国四川省成都市において約2週間の現地調査を行い、ギャロン語〓山方言の語彙、文型資料を収集した。収集したデータは電子化し、音声ファイルとともにDVD-Rにバックアップして他の研究者にも提供可能な形とした。なお、当初、甘孜蔵族自治州ないしアバ蔵族羌族自治州における現地調査を計画していたが、現地情勢が不安定であり外国人の入境制限や暴動等に巻き込まれる危険があったため、調査地を変更し期間も短縮して調査を実施した。 前年度までに収集したデータと、新たに現地調査で得たデータを合わせて、地域特徴の実態の分析に取り組んだ。特に、コピュラについて、ダパ語の記述および周辺諸言語のコピュラ体系の対照を初めて行い、ダパ語に4種類のコピュラ語幹があること、それらを動詞類と認定しうる根拠、否定形におけるアンバランスな体系が見られること、さらに、同じチァン系の中で唯一類型的に近い特徴を持つのがムニャ語のコピュラ体系であることを明らかにした。研究成果は国際学会において発表し、内外の研究者と研究討議を行った。 さらに、前年度までに取り組んできた研究の成果を論文にまとめて発表した。ダパ語の記述については、格標識と方向などの諸現象の相関についてより詳細な分析を行い、論文を発表した。また、対象地域の諸言語における方向接辞の機能について、ダパ語を中心に分析し、周辺言語との対照を行った研究を論文として発表した。さらに、存在動詞を用いたパーフェクトの表現について、その分析および成立過程に関する考察を論文にまとめ、現在、学術雑誌に投稿中である。
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Research Products
(4 results)