2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720098
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
西田 文信 Reitaku University, 麗澤大学・外国語学部, 助教 (40364905)
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Keywords | チベット・ビルマ系言語 / チベット・ヒマラヤ諸語 / 記述言語学 / 社会言語学 / ブータン王国 / マンデビ語 / 形態統語論 / Mangdebikha |
Research Abstract |
本研究は、チベット・ビルマ系言語に属するマンデビ語の記述的研究を行うものである。 マンデビ語(Mangdebikha, Mangdep, Mandekha' Nyenkha,' Ngenkha, Henkhaとも称される)はブータン王国中部のトンサ県(Trongsa)及びワンディポジャン県(Wangdi Phodrang)のブラックマウンテンの東山麓地域、特にマンデチュー(Mang-sde-chu)の流域に分布する所謂Bhumthang groupの言語である。系統分類は未だ不明であるが、Gordon(2005)ではSino-Tibetan, Tibeto-Burman, Himalayish, Tibeto-Kanauri, Tibetic, Tibetan, Easternとしている。 本年度は、主として調査によって得られた資料の整理と分析の準備を行った。すなわち、得られた一次言語資料を電子化し、また、マンデビ語及び広くブータン諸語に関する文献の資料も入力した。 本年度は主に動詞形態論に関わる資料を収集整理した。3度の現地調査により今後の研究の基礎となるデータを収集することができた。 なお、昨年度と同様に、会話資料を収集する必要性から、民話の収集も始めている。これは、格標識が談話の中で果たす役割や、格標識の省略などを分析する上で必要な資料である。またClause chainingの分析にもこの上なく貴重な情報を与えてくれる。 現地調査は、2009年7月から8月にかけてブータン王国トンサ県においておこなった。主たる研究対象である、マンデビ語ツァンカ方言については、文法調査のほか、民話や自然発話の音声資料を収集した。 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究プロジェクト研究会、Himalayan Languages Symposiumなど内外の学会・研究会に出席し研究討議をおこなった。 現在これらの成果をもとに,文法概説および名詞動詞形態論に関する論文を準備中である。
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