2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720118
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
水野 優子 Asahikawa National College of Technology, 一般人文科, 准教授 (90435397)
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Keywords | 英語学 / 機能言語学 / 副詞節 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第一に、異なる接続詞によって導かれる譲歩節の共通点と相違点を明らかにすること、第二に、英語の副詞節全体における、譲歩を表す副詞節の統語的、意味的・語用論的な特殊性を明らかにすることである。平成19年度の研究では、譲歩節全般について最も包括的な分析を行なったKonigが提案したalthough節の三分類、すなわち「標準譲歩」、「修辞譲歩」、「訂正譲歩」が、実例でどのように具現するのかを調査した。言語資料としては、2006年8月16日付の電子コーパス、LexisNexisの英字新聞から収集した計196例のalthough節の用例を用いた。調査の結果、まず、Konigの主張と異なり、前置・後置although節は、用法の種類に差はなく、違いはそれぞれの用法の頻度にあることが分かった。すなわち、前置・後置although節はどちらも標準譲歩、修辞譲歩、訂正譲歩、対比、発話行為の用法があるが、前置although節の大部分は標準譲歩を表すのに対し、後置although節の大部分は訂正譲歩を表すことが分かった。さらに、訂正譲歩のalthough節は、これまで単一のカテゴリーと考えられてきたが、実際にはそうではなく、新たに、三つの下位クラス、すなわち「想定の取り消し」、「妥当性の弱化」、「例外」の存在があることを示した。以上のalthough節の分類は、第一の目的、すなわち異なる接続詞によって導かれる譲歩節の談話機能の共通点、相違点を分析するための有効な土台となるものである。
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